FXの為替相場レート予想
豪ドル
最近の為替市場は米債利回りと、その利回りの上下による米株の値動きに翻弄されている。今週も同様な動きが続くだろうが、その中でも徐々にパンデミック後の勝ち組と負け組の差が出てきている。勝ち組は米国や英国のようにワクチンの普及率が高い国、または豪州やNZのようにワクチン確保は遅れているが、コロナウイルスの感染拡大を抑えることで経済回復が経済指標に反映している国である。豪州が勝ち組の一つでもあるため、豪ドルは堅調地合いが続きそうだ。ただし、豪準備銀行(RBA)は金融緩和方針を維持しており、金利が上昇すると債券を購入して金融緩和解除圧力を避けようとするだろう。
南アフリカ・ランド
最近のZARも米国の金利や株式市場に振り回され、方向感がなくボラタイルに動いている。先週発表された南アの国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことはポジティブな要因だが、経済協力開発機構 (OECD)の世界経済見通しでは、南アは2021年が3%のマイナス成長、2022年にようやく2%のプラス成長と予想されている。南ア経済の回復が滞りそうなことから、上値を深く追いかけるのは危険であろう。
為替に関する最新ニュース
先週のNY株式市場でダウ平均は6日続伸し、最高値更新が続いている。一方でIT・ハイテク株は売りを強めており、ナスダックは軟調な展開。市場は米国債にらみの展開を見せており、米10年債利回りは一時1.6
4%付近まで急上昇している。米消費者物価指数(CPI)や米国債入札、そして、ECB理事会など通過したが、米10年債利回りが1.5%付近でサポートされたことで、さらに上の水準を試しているようだ。今週はFOMCが予定され、金利や経済見通しも公表されるが、直近の利回り急上昇を静観しているFRBがどう出てく
るか注目される。
バイデン大統領が1.9兆ドルの追加経済対策に署名をしたが、ほぼ額面通りに成立したことで、市場からは今
年の米成長見通しを上方修正する動きも出ている。年ベースで6.9%成長も見込まれているようだ。既に12
月に成立した景気刺激策に加え、今回の1.9兆ドルの追加経済対策が加わり、さらに5月までにすべての米国民に届くであろうワクチン接種が展開されれば、絶大な効果を生むとみられている。